この地球上に実在した可能性がある古代の失われた文明7選

アジア

古代には現在の歴史書にはほとんど記録が残っていないものの、実在した可能性がある「失われた文明」が数多く存在します。考古学的な証拠や伝承、神話などを手がかりに、その存在が推測されている文明もあります。今回は実在した可能性が高い7つの「失われた文明」を紹介し、それぞれの場所や裏付けとなる証拠について詳しく見ていきましょう。

アトランティス文明(Atlantis)

実在した可能性:中程度
伝承の起源
プラトンの著書『ティマイオス』『クリティアス』
想定される場所
大西洋、地中海、カリブ海など諸説あり
裏付けとなる証拠
古代ギリシャの記録、海底遺跡

アトランティスは、古代ギリシャの哲学者プラトンによって語られた伝説的な文明です。彼によれば、アトランティスは高度な技術と文化を持つ巨大な島国で、約9,000年前に海に沈んだとされています。アトランティスの位置については諸説あり、地中海のサントリーニ島、バハマのビミニロード、大西洋のアゾレス諸島などが候補とされています。また、サントリーニ島にはミノア文明の遺跡があり、紀元前1600年ごろの火山噴火によって崩壊したことが分かっています。これは、アトランティス伝説の元になった可能性があると考えられています。


レムリア文明(Lemuria)

実在した可能性:低~中程度
伝承の起源
19世紀の科学者フィリップ・スクレーター
想定される場所
インド洋、マダガスカル、スリランカ付近
裏付けとなる証拠
ムー大陸伝説との関連、海底地形研究

レムリア文明は、かつてインド洋に存在したとされる伝説の大陸に栄えた文明です。もともとは、マダガスカルとインドに共通する動植物の存在を説明するために提唱された仮説でしたが、後に神秘主義者らによって、古代文明の発祥地として語られるようになりました。一部の研究者は、南インドやスリランカに伝わる古代の伝承とレムリアを結びつけています。例えば、タミル文化には「クマリ・カンダム」という沈んだ大地の伝説があり、これはレムリアと関連があるのではないかとも言われています。しかし科学的には大陸がそのように突然沈むことは考えにくく、レムリアの存在は否定的に見られています。


ムー文明(Mu)

実在した可能性:低~中程度
伝承の起源
19世紀のジェームズ・チャーチワード
想定される場所
太平洋(イースター島、ハワイ周辺)
裏付けとなる証拠
ナン・マドール遺跡、イースター島のモアイ像

ムー大陸は太平洋に存在したとされる伝説の大陸で、高度な文明を持っていたとされています。ジェームズ・チャーチワードが主張した説によれば、ムー大陸は大洪水や地殻変動によって沈んだと言われています。太平洋にはナン・マドール遺跡(ミクロネシア連邦)があり、人工的に造られた島々が存在することが確認されています。またイースター島のモアイ像など、未知の技術による建造物も存在します。これらの遺跡がムー文明と関連しているのではないかと考える人もいますが、学術的な裏付けは乏しいのが現状です。


タルタリア(Tartaria)

実在した可能性:中程度
伝承の起源
18世紀以前のヨーロッパの地図
想定される場所
ロシア〜中央アジア
裏付けとなる証拠
古地図、建築遺跡

タルタリアとはかつてユーラシア大陸の広範囲に存在していたとされる謎の文明です。18世紀以前のヨーロッパの地図には「大タルタリア」と書かれた地域が描かれており、ロシアや中央アジアにまたがる広大な領域が示されています。現在では、タルタリアはモンゴル帝国や遊牧民文化の誤解によって生まれた伝説と考えられていますが、古い建築物や都市遺跡が独自の文明を示唆している可能性もあります。


ヴィンカ文明(Vinca)

実在した可能性:高い
伝承の起源
20世紀の考古学的発見
想定される場所
東ヨーロッパ(セルビア周辺)
裏付けとなる証拠
古代文字、金属加工技術

ヴィンカ文明は紀元前5500年〜4500年ごろに東ヨーロッパに存在していた文明で、考古学的に実在が確認されています。この文明は、当時としては高度な技術を持ち、独自の文字体系を持っていたとされています。発掘されたヴィンカ文字は、最古の文字体系の一つと考えられています。また、金属加工技術が高度であり、青銅器時代以前にすでに銅を加工していたことが判明しています。


シュメール以前の文明(Pre-Sumerian Civilization)

実在した可能性:高い
伝承の起源
考古学的発見
想定される場所
メソポタミア(イラク周辺)
裏付けとなる証拠
ウバイド文化、謎の石像

シュメール文明以前にも高度な文化を持つ文明が存在していた可能性があります。ウバイド文化(紀元前6500年〜3800年)は、その代表例であり、特徴的な土器や奇妙な爬虫類のような姿をした石像が発掘されています。これらの発見から、シュメール文明の起源はさらに古い文明にさかのぼるのではないかと考えられています。


ドヴァーラカー(Dwaraka)

実在した可能性:高い
伝承の起源
インド神話『マハーバーラタ』
想定される場所
インド・グジャラート州沿岸
裏付けとなる証拠
海底遺跡

インドの伝説ではドヴァーラカーはクリシュナ神の都市とされており、神話上の都市と考えられていました。しかし、近年の調査でグジャラート州の海底から都市遺跡が発見され、ドヴァーラカーの実在が示唆されています。この遺跡は約9,000年前のものと推測されており、人類の歴史を塗り替える可能性がある発見として注目されています。


まとめ
これらの文明の中には完全な伝説とされるものもあれば、考古学的に実在した可能性が高いものもあります。歴史の謎は尽きることがなく、今後の研究によって新たな発見があるかもしれません。

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